日本通運ねぶた実行委員会

小子部栖軽 雷を捕ふ[ちいさこべのすがる かみなりをとらう]

作: 林広海




むかし雄略天皇[ゆうりゃくてんのう]に仕えていた豪族・小子部栖軽[ちいさこべのすがる]というものがいた。

ある嵐の夜、空に轟く雷を捕まえて来いと天皇に命ぜられた栖軽は赤色のかずら(鉢巻)を額に巻き、赤旗をつけた鉾を捧げもち、馬に乗り豊浦の里(現:奈良県高市郡明日香村豊浦)を抜け、軽の諸越(現:奈良県橿原市大軽)の辻に着いた。

そこで栖軽は「雷の神よ、天皇がお呼びです」と、空に向かって大声で叫んだ。

そして、そこからもと来た道を走り引き返しながら、

 「たとえ雷の神といえども、天皇がお招きになるのを拒むことはできまい」と言った。

すると途中、雷が落ちていた。

栖軽は、神官を呼び、雷の神を竹製の輿に乗せて天皇のもとにお運びした。

稲光を放ち、輝く雷を見た天皇は、恐れうやまい雷を落ちたところに返すことを命じたという。

 

「日本霊異記[にほんりょういき]」より

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